大型犬は特有の病気にかかりやすい?
大型犬は、その体の大きさゆえに、小型犬とはまた違った病気のリスクを抱えやすいと言われています。関節や心臓への負担が大きいことに加えて、成長のスピードが速い分、体に無理がかかりやすいことも関係しているようです。
しかも大型犬は、生後1〜2年というあっという間の期間で体がぐんぐん大きくなっていくので、骨や関節がその成長スピードに追いつかず、トラブルが起きやすいとも言われています。体が大きい分、病気がある程度進んでから気づかれることも少なくないので、日頃のちょっとした変化に気づいてあげることが、早期発見のカギになってきます。
ここでは、大型犬に多く見られる病気や、気をつけたいサイン、そして予防のためにできることを、わかりやすくお伝えしていきます。
大型犬がかかりやすい代表的な病気
股関節形成不全・肘関節形成不全
大型犬の関節トラブルとしてよく耳にするのが、股関節や肘関節の形成不全です。関節がうまく噛み合っていない状態のことで、遺伝的な要因に加えて、成長期の急激な体重増加や激しい運動も関係していると言われています。
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパードなどは、こうした関節トラブルが比較的よく見られる犬種のようです。歩き方がなんだかぎこちない、階段や車の乗り降りを嫌がる、そんな様子が見られたら、少し気にかけてあげたいポイントです。進行すると歩くこと自体が大変になってしまうこともあるので、早めに気づいてあげられると安心です。
胃拡張・胃捻転症候群
胸の深い大型犬種(グレート・デーンやセント・バーナードなど)に多く見られる、命に関わることもある怖い病気です。胃にガスや食べ物が溜まって膨らみ、それがねじれてしまうことで血の流れが止まり、あっという間に状態が悪化してしまいます。
食後すぐに運動させたり、早食い・一気食いをしたり、一度にたくさん水を飲んだりすることがきっかけになりやすいと言われています。お腹がパンパンに膨らんで苦しそうにしていたり、吐きそうなのに何も出てこなかったり、そわそわ落ち着かない様子があれば、迷わずすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
心疾患(拡張型心筋症など)
大型犬は心臓が全身に血液を送るための負担が大きく、心疾患のリスクが比較的高めと言われています。中でも「拡張型心筋症」は、心臓の筋肉が薄く伸びてしまってうまく縮まなくなる病気で、ドーベルマンやグレート・デーン、ボクサーなどで多く見られるようです。
咳が増えた、疲れやすくなった、少し動いただけで息が上がる、そんな変化がサインになることもあります。初期のうちは症状が目立ちにくいことも多いので、定期的な健診でいち早く気づいてあげたいところです。
骨肉腫
骨にできるがんの一種で、大型犬・超大型犬に多いと言われている病気です。
特に足の骨にできやすく、進行が早いのも特徴のひとつ。足を痛がる、片足を引きずる、なんだか腫れているように見える、そんな様子があれば、早めに獣医師さんに相談してみてください。
皮膚疾患
体が大きい分、皮膚のトラブルは意外と見逃されがちです。特にシベリアン・ハスキーやジャーマン・シェパードのような二重毛(ダブルコート)の犬種は、毛の内側が蒸れやすく、皮膚トラブルにつながりやすいと言われています。かゆがっていないか、毛が抜けている部分はないか、皮膚が赤くなっていないか、ときどき気にかけてあげましょう。を向けてあげましょう。
年齢によって気をつけたい病気は変わってくる
大型犬がかかりやすい病気は、年齢によっても少しずつ傾向が変わってくるんです。
成長期(〜1歳頃)
骨や関節がまだ発展途上の時期なので、股関節形成不全や成長期特有の骨のトラブルが起きやすいタイミングです。この時期の激しい運動やジャンプは、なるべく控えめにしてあげたいところです。
成犬期(1〜6歳頃)
比較的元気に過ごせる時期ですが、胃拡張・胃捻転のような突然起こる病気には、年齢に関係なく気をつけておきたいところです。食事の与え方や運動のタイミングを、一度見直してみるのもおすすめです。
シニア期(6〜7歳頃〜)
心疾患やがん(骨肉腫を含む)、関節の慢性的な痛みなど、年齢を重ねることで出てくる病気のリスクが高まってくる時期です。このあたりから、健康診断の回数を増やすことも考えてみてもいいかもしれません。
病気のサインを見逃さないために
大型犬は体が大きいぶん、多少の不調があっても意外と表に出にくいことがあります。だからこそ、日頃のちょっとした変化に気づいてあげることが大切なんです。
- いつもより歩き方がゆっくり、または引きずっている
- 食欲が急に落ちた、または増えた
- 呼吸が荒い、咳が増えた
- 触ると痛がる部分がある
- お腹が張っている、苦しそうにしている
こんな変化に気づいたら、様子見せずに動物病院に相談するのが安心です。症状が出る前の段階で異変に気づくためにも、定期的な健康診断はとても頼りになります。血液検査やレントゲン検査は、見た目だけではわからない体の変化を教えてくれる大切な機会です。
病気を予防するためにできること
すべての病気を完全に防ぐのは難しいですが、日々の生活の中でリスクを減らしてあげることはできます。
適正体重をキープする
体重が増えるほど、関節や心臓への負担も大きくなってしまいます。適正体重を保つことは、いろんな病気の予防につながる、一番身近にできるケアです。肋骨がうっすら触れるくらいの体型を目安に、定期的に体重をチェックする習慣をつけましょう。
成長期の運動を見直す
特に生後1年ほどの成長期は、骨格がまだしっかり育っていない時期です。激しい運動やジャンプ、硬い床での急な方向転換は控えめにして、関節に負担をかけすぎないようにしてあげてください。
食後の運動は避けてあげる
胃拡張・胃捻転のリスクを減らすためにも、食後すぐの激しい運動は避けて、食事はゆっくり落ち着いて食べられる環境を整えてあげることが大切です。
大型犬に合ったフードを選ぶ
栄養バランスが偏ると、骨や関節のトラブルにつながることもあります。大型犬用に作られたフードを選んであげることも、ひとつの予防策になります。フードの選び方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
ペット保険への加入も考えてみる
大型犬は医療費が高額になりやすい傾向があります。もしもの病気やケガに備えて、ペット保険への加入を検討しておくと、いざという時も安心して治療を受けさせてあげられます。
大型犬向けペット保険会社比較!特徴と選び方のポイントまとめ
大型犬は体が大きい分、股関節や心臓、骨などにトラブルを抱えやすい傾向があります。年齢によってもリスクの傾向は変わってくるので、成長期からシニア期まで、その時々に合ったケアを心がけてあげたいところです。
日頃のちょっとした変化に気づいてあげること、そして適正体重や運動量、食事に気を配ってあげること。それが、病気の予防や早期発見につながっていきます。大切な家族の一員だからこそ、ちょっとした異変にも気づいてあげられる存在でいたいものです。